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研究概要-2


2. ポリアミン輸送


Fig. 2-1
2-1s
Fig. 2-2
2-2s
(クリックすると大きい図を見られます。)

大腸菌で4種のポリアミン輸送系の性質を明らかにした(Fig. 2-1).2種のプトレスシン及びスペルミジン取り込み系はABC(ATP binding cassette)トランスポータであり,それぞれが4種の蛋白質(ペリプラズムに存在する基質結合蛋白質,2種の膜貫通蛋白質,ATPase活性を持つ膜表在性蛋白質)により成り立っていた.2種の基質結合蛋白質のポリアミン結合部位をX線結晶構造解析とsite-directed mutagenesisにより作製した変異体の活性測定より明らかにし,ATPaseの活性中心とポリアミンによる調節に関与する部位を明らかにした.一方,残り2種のポリアミン輸送系はいずれもポリアミン排出系であり,プトレスシン排出系PotEとカダベリン排出系CadBは中性条件では取り込み活性を有するものの,主として酸性条件下で発現が上昇し,プトレスシン/オルニチンアンチポーターまたはカダベリン/リジンアンチポーター活性を示し,環境の中性化,エネルギー産生及び核酸合成に寄与し,細胞増殖を促進することが明らかとなった.2種の排出系の主として基質認識に関わるアミノ酸残基を同定した.
真核細胞である酵母を用いて,9種のポリアミン輸送系を同定した(Fig. 2-2).TPO1~TPO4は細胞膜上に存在し,ポリアミンの排出系であった.TPO1はリン酸化により活性調節を受けており,リン酸化により活性促進されるアミノ酸残基、細胞膜への局在が促進されるアミノ酸残基を同定した.TPO5はpost-Golgiの分泌小胞に存在し,ポリアミンを排出する系であった.その他に,液胞膜上に存在するUGA4と3種の細胞膜上のポリアミン取り込み系GAP1,SAM3及びDUR3を同定した.このうちSAM3とDUR3のポリアミン取り込み活性が強く,両遺伝子を欠損させたポリアミン生合成欠損株では培地にポリアミンを添加しても増殖促進効果が著しく低下したことから,ポリアミンはこれら2種の輸送系により主として取り込まれることが明らかとなった.また,我々がクローニングしたpolyamine transport protein kinase 2によるリン酸化により,DUR3の活性が促進されることが明らかとなった.

Last Update: 05/16/2007

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