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研究概要-3


3. NMDA受容体の構造・機能解析とチャネルブロッカーの開発


Fig. 3-1
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Fig. 3-2
3-2s
(クリックすると大きい図を見られます。)

興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸受容体の一種であるNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体は高いCa2+透過性を有するイオンチャネルであり,神経可塑性の中心的役割を担い,記憶形成・学習・運動等に深く関与している.一方,その高いCa2+透過性のため,脳虚血時の症状悪化に密接に関連している.このNMDA受容体の活性化にはグルタミン酸の他にグリシンを必要とし,かつポリアミン,特にスペルミンにより二面的な活性調節を受けている(スペルミンによる脱分極時の活性促進及び過分極時の活性阻害).NMDA受容体はNR1~NR3サブユニットから構成されており,通常はNR1サブユニット2個とNR2サブユニット2個からなるテトラマーである.1個のサブユニットには4個の膜領域(M1~M4)が存在するが,第2膜領域(M2)は膜中で折れ曲がってループとなり,イオン透過のポアの最も狭い部分を形成している.我々は,NMDA受容体のアミノ酸置換変異体に対するスペルミンの効果を測定することにより,スペルミンによる促進効果発現に関与する認識部位を同定した.その結果,NMDA受容体のN末端部位にはS-domain(基質結合領域)の上流にR-domain(調節領域)が存在し,ポリアミンの他,脳機能改善薬であるイフェンプロジルやプロトンが結合して,活性調節を行うことを明らかにした(Fig. 3-1).
また,種々のチャネル領域の変異NMDA受容体を作製し,3種のチャネルブロッカーの効果を比較することにより,チャネル構造を検討した.その結果,チャネルポアの最も狭い部位の形成にはNR1 N616とNR2B N616が関与しており,チャネルの形成にはM2ループと共にM3領域が重要であることを明らかとした.また,NR1 T648の変異によりアゴニストが存在しなくてもチャネルがopenすることを見出した.さらに,NMDA受容体のチャネルブロッカーは抗けいれん薬・抗認知症薬等の医療適用が期待できるため,種々のポリアミン誘導体のNMDA受容体チャネルブロック活性を調べ,アントラキノンポリアミン誘導体及びアントラセンポリアミン誘導体がチャネルの細胞質側にも作用部位を有する強力なチャネルブロッカーであることを見出した(Fig. 3-2).

Last Update: 05/16/2007

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